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エログロ専用SS

1 :大山 : 05/04/18 03:30:00 ID:???
エロティックなSSや、残虐嗜好のあるSSを書く場所です。
・リクエスト可(しつこくしないこと)
・感想OK。批評は作者の許可を得てからに
・当然過剰な悪口は駄目
・無断転載禁止

エログロじゃないものは、こちらにお願いします。

こっそりSSを書くスレ
http://soramimi.yh.land.to/bbs/test/read.cgi/asagi/1111334143/l50


2 :sage : 05/04/19 01:08:31 ID:Ow3vJW1Q
十月二十日放課後 第二会議室 二年の担任会議

「二の三だけの特別学習合宿、ですか?」
二年二組の担任、黒沢みなもは、校長の言葉に首を傾げた。
「あのクラスの平均点は、そんなに低くなかったかと思いますが」
「着眼点はそこではないのですよ、黒沢先生」
二年五組の担任で学年主任の石川が穏やかな口調で言った。
「確かに平均点は低くない。ですがあのクラスは学年トップの生徒と学年最下位の生徒がおり、
 その差が非常に広がっているんです。これはなんとかしないといけません。
 ………聞いているのですか、谷崎先生」
そう言われて、三組の担任である谷崎ゆかりは、大きくあくびをしながら、
「はあい、聞いてますよ。うん、いいんじゃないですかぁ?」
「何故三組だけなのですか?私は反対ですな」
そう聞いたのは一組の担任、後藤だ。校長がそれに答える。
「それ以外のクラスに学習合宿が必要とは思わなかったからです。それにしても反対とは、なぜですかな?」
「クラスの成績を均一にしたいのならば、成績の悪い生徒に補習をあてるなり、
 いくらでもやりようがあるはずです。なぜ、合宿などやるのです?」
「その方が、より効果があると考えているんですよ。ねえ、石川先生?」
「そのとおりですね」
石川はくすっと笑って校長に応えると、持っていたファイルからプリントを出して配り始めた。
「みなさん。とりあえず質問はあとにしてこのプリントを見て下さい。
 合宿は、少し遠い場所で行おうと思っています」
なんだかおかしい。そう黒沢が違和感を感じるほど、校長と石川は強引だった。
まるで、その合宿がもう決定していて変えられないことのように。
「………こうきたか」
誰かのつぶやく声が聞こえた。
「え、どうしました、木村先生?」
四組の担任木村は、プリントをじっと見据えたまま、
「いえ、何でもありません」
そう言って黙り込んでしまった。
黒沢は少し気になって隣に座る木村のプリントを覗くと、手書きの小さな字で、
『今回は絵は無しだよ、木村君。by石川』
と書いてあるのが見えた。


3 :sage : 05/04/19 01:09:17 ID:Ow3vJW1Q
11月30日 午前7時10分 通学路
 呂比千尋はゆっくりと歩いていた。
歩きながら考えていることは、もちろん昨日のことだけだ。
左右の石壁の先の、実をやっと落として葉を散らし始めた木々たちが、
時々風に揺られて気持ちよさそうに笑った。
つられたように千尋も微笑む。その様子がおかしかったのか小鳥が声をあげた。
秋の空気は軽すぎて、千尋は浮かんでしまいそうだった。
そんな風に思えるなんて、私はいつから詩人になったのかしら。
もちろんそれは昨日のあれのせいだ。
昨日の………。
「おーい。おはよーう」
同じクラスで同じ天文部の梨丘かおりが、回想にふけりかけた千尋を
現実に引き戻すように、千尋の肩を叩いた。
「あ、かおりん。おはよ」
「どしたの?なんだかうれしそうじゃない」
かおりはいきなりそう聞いてきた。顔にでていたらしい。
「うん、判る?」
「そりゃわかるわよ、だって千尋ったらにやにやして歩いてたんだもの。
 私が肩叩くまで気づかないしさ。………ねえねえ、何があったの?」
「うん、昨日の夜ね………」
そう言っただけで頬が緩んだ。
「あのね、観測の帰りにね………」
そこまで言うと、今度は口からため息がもれる。
「ああ、ああ。もう最高だわ」
勝手に昨日の晩の記憶が頭の中で再生されて、千尋は両手を胸の前で組んだ。
「ちょ、ちょっと。自分の世界に入ってないで、教えてよ」
「ええ、うん。あのね」
千尋は深呼吸した。頬が、だらしないほど緩んでいるのが自分でも判る。
空から降りてきた釣り針が引っかかったに違いない。
千尋は両手でほっぺたを押さえつけた。熱い。
「………かおりん、耳貸して」
「もー。もったいぶるんだから」
そう言って笑うかおりに、千尋はキスしてしまいそうなほど近づいて、そっと囁いた。


4 :sage : 05/04/19 01:09:43 ID:Ow3vJW1Q
同日 午後四時 通学路
「と、いう訳で、私はめでたく期末テストを乗り切るのでした。おしまい」
滝野智は、得意げに話を締めると、勝ち誇ったような目で一緒に帰っている連中を見つめた。
「どう?この完璧な計画。こんなに簡単なこと思いつくなんて、やっぱ私ってー」
「あのなあ。そんなこと考えてる暇があるなら勉強しろよ」
水原暦は呆れて智から目を睨んだ。
「まったく、なにが大事な話があるー、だ。こんなことならさっさと帰っときゃ良かったよ」
「あー、でもそれ、一理あると思うで」
春日歩はいたく感心したように言った。
「確かに死んでまうんやったら、勉強なんかしても意味ないもんなあ。
ともちゃん、なかなかええ考えや」
「でも、そんな確率はほとんどないですよ」
小柄な美浜ちよが、苦笑いしながら話に入った。
「確かにともちゃんの言うとおり、今年の九月からBR法が変更されて、高校生も対象になったんですけど、
 実際に選らばれる確率なんて、交通事故に会う確率よりもずっと低いんです。
 そんなことが気になって勉強できない、なんて言い出したら、あっという間に非国民扱いですよ。
 ちょっと古い言い方ですけど」
「そのとおり。大体ともがそんなこと言っても、サボりたい口実にしか聞こえないな」
暦は智を横目でちらりと見てから、ちよに向かって言った。
「九月といえばさ、いろいろ法律ができたよね。あれっていまいち判りにくいんだけど、どういうことなの?」
「ええ、たしか海外旅行の規制に関する法律と、治安維持に関する法律ですよね。
 あれには反対意見も多かったみたいです。
 でも海外旅行の規制って、今まで合法的にアメリカや中国に行けたことが異常だと考えれば、
 あって然るべきものだと思いますよ」
全然わかりませーん、といわんばかりに、智は両手を上げてみせた。
歩は判っているのかいないのか、にこにこしながらちよの話を聞いている。
「もう一つの治安維持法だって、前の戦争中に布かれたものと同じですし、
 今のインターネットなどにはびこる憂国思想が
 この国に悪い影響を及ぼすと判断されたからこそ施行されたんです。
 なにごとも大日本帝国のため、ですよ」
「お国のため、か」
黙々と歩いていた榊がそう呟いたのを、暦は聞いた。この大女は何を言いだすんだろう。
なんとも言えない不快感が体に忍び寄ってくるような気がした。
………。
沈黙が流れる。
「そ、それにしても冬休みの合宿楽しみですねえ!」
ちよが慌てたようにそういったが、誰も返事をしなかった。


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