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こっそりSSを書くスレ
- 1 :? : 2005/03/21(月) 00:55:43
- SSを書くスレです。
感想OK。批評は作者の許可を得てからに。
当然過剰な悪口は駄目。
ジャンルは問わず。
無断転載禁止。
過剰なエログロ禁止。
- 132 :? : 05/06/02 21:07:15 ID:(´,_ノ` )y━・~~~
- 「え、空耳さんですか?確かに最近よく寝てますね」
クラス委員の美浜ちよ◆cHiYoは机の上に広がる弁当箱を片付けながら、おむすびたちに向かって言った。
「何かあったんですか?」
「それが分からない。なんだか気になって。あいつ、あんまり授業中寝ないでしょ?」
△がそういうと、美浜は微笑みながら、
「どうなんでしょうね。あんまり興味ないです。すみません、私、宿題をしないと」
というと、鞄の中に弁当箱を放りこみ、次の授業である英語の宿題をし始めた。
天才と言われる美浜が宿題を忘れるなんて珍しいな、と思いながら彼女を見つめていると、
△がわき腹をつっつきながら囁いてきた。
「ほら、ちよちゃんのお父さんの会社、今やばいらしいから」
おむすびも美浜から離れて、△のほうに身をよせながらこたえる。
「あの、変な噂?」
「そ。暴力団かなんかから睨まれてるって聞いたことがある」
「ちよちゃん自身には関係ないんじゃない?」
「でもやっぱり、ストレスになってると思うよ」
「どうだろう………」
「あんまり彼女に関係ないことで心配かけない方がいいんじゃない?」
美浜について△が言うことはもっともだった。
「そうだな」
おむすびが頷くと、それを待っていたかのように、◆Eroが教室に飛び込んできた。
「△さん、おむすびさん。太陽の暦さんが空耳さんのこと詳しく知ってるみたいですよぅ。
今、ちょうど廊下にいますから、来てくださいー」
- 133 :? : 05/06/02 21:07:42 ID:(´,_ノ` )y━・~~~
- 「太陽さんは何か知らない?その、空耳の最近の状況とか」
おむすびたちが廊下に出ると、△はさっそく太陽暦に話かけた。
「知ってるよ」
一人で窓の外を眺めていた太陽は、思わせぶりに振り向くとあっさりそう言った。
「よく寝てる。それに、」
「あー、そうじゃなくってですねー。何でよく寝てるのかっていうー」
「うん。分かってる」
◆Eroが口を挟むのを手で遮りながら、太陽は、
「夜に見るよ。何か、大きな箱みたいなのを抱えて歩いてたな」
「夜に?」
「うん、深夜の、ほとんど毎日だね」
「てことは」
おむすびは首を傾げた。
「太陽の暦さんは、いつも夜に外を歩くんですか」
「そ。趣味でね」
「そらちゃんが、なんやってー?」
トイレのほうからやってきた大阪◆ECxUfIlnaUがいきなり話に割り込んできた。
「なんか犯罪でもしてつかまったん?」
まさか。おむすびは笑いながら大阪にことの事情を説明してやった。
「あー、そうなんや。そらちゃんが、ようねとんねんなー。気ぃつかんかったー」
「そりゃ、お前もいつも寝てるからだろ。………△、どうしたんだ?」
太陽が△の顔を覗き込んでも、△は全く気付かないようすで何かを呟いていた。
真剣な顔つきで、心なしか顔面蒼白になっている。
「深夜に………趣味で………犯罪!?」
「おーい。△さん」
おむすびが△の肩に手をおくと、彼ははっと顔を強張らせ、言った。
「あ、ああ。これは、調べたほうがよさそうだな」
- 134 :? : 05/06/02 21:08:08 ID:(´,_ノ` )y━・~~~
- 太陽から、夜の空耳の出現場所を聞いているうちにチャイムが鳴り、
午後の授業が始まってしまった。おむすびはこっそり空耳のほうを盗み見たが、
彼はまだ眠っているようで、微動だにしなかった。
「さあ、授業を始めるわよー!!」
大きすぎる声と高すぎるテンションで教室に入ってきたのは、
英語の担当教師であり、おむすびたちのクラスの担任でもある純白先生だ。
この先生の明るい態度は明るすぎて、自分には眩しすぎるとおむすびは思っていた。
「おらー、飯食ってるやつ、早くしまえー!授業は始まってんのよー!!」
席が前の方のおむすびに、この音量はきつかったが、純白先生の大声で、
けだるげだったクラスはなんとなく引き締まったように感じた。
「さー、みんな起きたわね。ライティングの教科書出してー!」
「あのー。じゅんぱくせんせぃ」
チョークを黒板にこすり始めた純白先生に、◆Eroが遠慮深げに手を挙げ声をかけた。
「あーん。なに、エロちゃん?」
「あの、そのですね。空耳さんがまだ、起きてないです」
「はーん?」
純白先生は教壇の上から背伸びをするように空耳を見た。
つられておむすびも後ろを向いた。
相変わらず背筋をピンとのばして、目をはっきり開いている。
相変わらず視点の定まらない目に見えた。起きているように見えるが、明らかに寝ている。
「起きてるじゃーん!」
しかし純白先生は、目を開けているのを見て、すっかり起きているものだと決め付けてしまった。
「エロちゃーん。起きてる人に寝てるなんていっちゃ、ダメよー」
「先生!空耳は寝てます。ねえ、ちよちゃん?」
△がそう言いながら美浜をみると、美浜は首を傾げながら、
「さあ、どうでしょうねー」
と微笑んだ。彼女はまだ宿題をしているようだ。空耳のことなどに構ってはいられないのだろう。
「あー。面倒くさい!本人に聞けばいいのよ、本人に!!」
気の短い純白先生は空耳に右手人差し指を突きつけて叫んだ。
「おいっ空耳!寝てるんなら寝てるって言いなさいよ。寝てるの?」
空耳は返事をしなかった。黙ったままじっとどこかを見据えていた。
純白先生に指をさされ、クラス全員の視線を浴びながらもまだ寝続ける空耳に、
おむすびは内心舌をまいた。
「返事が無いわね、もしかして、偽者なんじゃない?そいつ」
「偽者が入ることなんてありえない。この学校はセキュリティが完璧なんだから」
誰か、目立たない人がそう言ったが、純白先生には聞こえなかったようだ。
「あーもう、どっちでもいいわ。さっさと授業進めないと、またテスト前に補修を入れないといけなくなるし」
そりゃ困る。純白先生はいつも強引なんだから………。
おむすびは慌てて教科書を机から引っ張り出した。
クラスは空耳を放って授業に入っていった。
- 135 :? : 05/06/02 21:10:21 ID:(´,_ノ` )y━・~~~
- 授業が全て終わり、下校の時刻になった。
「空耳さん、今日はずっと寝てましたねぇ」
七限の担当の教師が教室から出て、おむすびが帰る支度をしていると、◆Eroが話しかけてきた。
「もしかして、今までもずっとこんな調子だったんでしょうか?」
「分からないけど、そうなのかもしれない」
おむすびは実際、昨日までは全然気がつかなかったのだ。
鞄に机の中のものをつめこみながら考える。
「でももし、そうなんだとしたら、変な話だと思う」
「ホント、夜に起きてるとき、何してるんでしょうねー、空耳さんは」
「うん」
「何だと思います?夜にひとりでさまよう理由って」
「さあ………?」
「たぶん誰にも分からないよ。空耳以外はね」
いつの間にか△が近づいてきてそう言った。
「でも、予想はできる。本人に聞いてないから分からない部分がほとんどだけど、
夜にできることなんて、たかが知れてるでしょ?」
「それはそうですけどー」
◆Eroが、考えるように首をかしげて言う。
「でも急に授業中に寝だすようになるなんて、不自然なんですよねぇ」
「そうかもしれないけど………」
おむすびには思いつくことなんてほとんどない。
「バイトかなんかじゃないの?家庭の事情とかで」
「まあ、その可能性は高い。でも、絶対そうだとはいえないでしょ?だからね」
△はおむすびたちに顔を近づけて囁いた。
「だから今夜、空耳の後をつけようと思うんだ」
- 136 :? : 05/06/02 21:11:13 ID:(´,_ノ` )y━・~~~
- 前半終了。
今日はとりあえずここまで。
- 137 :空耳=ケーキの法則 ◆830MIMi83o : 05/06/02 21:22:18 ID:|_・)ノs
- 読んだ。
- 138 :空耳=ケーキの法則 ◆830MIMi83o : 05/06/02 21:24:12 ID:|_・)ノs
- おまいらまだおぽんぽんやってるのかよwwwwwwwwwwwwww
- 139 :空耳=ケーキの法則 ◆830MIMi83o : 05/06/02 21:24:32 ID:|_・)ノs
- うはwwwww
ゴバークwww
- 140 :Agnus Dei : 05/06/02 21:38:04 ID:_| ̄|○
- 続きキタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!
- 141 :出席番号345 : 05/06/10 21:03:34 ID:???
- *設定*
ある日突然B子からA子に電話がかかってくる。
B子とA子は従兄弟でB子は二十歳、A子は18歳。
昔はよく遊んでいたが、いまはお正月に顔をあわすくらい。
電話の内容は、少しの間子供を預かっていてほしいというもの。
A子は了承するが、B子は夜逃げする。
その子供はまだ2歳。両親のいないA子は困り果てる。
そこに、恋人のC太が同棲しないかともちかけてくる。
そこで3人の暮らしが始まる・・・・・。
こんなあらすじのSS、だれかかいてくれませんか?
- 142 :? : 05/06/11 01:40:39 ID:(´,_ノ` )y━・~~~
- 空耳追跡の話は必ず終わらせるんでもうちょい待っててください
>>141
そういうときは自作か合作。
空耳さんあたり、誘ってみては?と、無責任なことを言ってみる。
僕も気が向いたら書いてみるかもね。
- 143 :智だぞ★ : 05/07/10 04:01:16 ID:〆(・_・。)ノ
- おむ「おっしゃああ300ゲットぉおおお」
よみ「そうか。よかったな。・・学習しろよ」
「あーあw」
「あーあww」
「ママだなんて呼ぶかあああ」
「必死だな」
「ここは(ry」
「きっともうだめなんだよ。」
「ボンクラーズに入るしか・・」
「勉強しろよ。」
- 144 :Ero★ : 05/07/10 05:44:15 ID:???
- あの笑顔を、もう1度
今日も相変わらず太陽がジリジリとアスファルトを焼いている。
照り付ける太陽の下、私は待ち合わせ場所に向かって走っている。
「やば、遅刻だ、また怒られる・・・」
私は高校を卒業してから、よくともと遊んでいる。
榊は勉強で忙しいみたいで、遊ぶ機会が少ない。
でも、ま、いいか。ともと一緒にいる時間は好きだ。
それより急がないと、どうなるかわからない。
という訳で、私は全力疾走で向かう事にした。
目的地が見えてくると同時に、足踏みをしているともの姿が目に入った。
一目見た所、大分ご立腹のようだ。
「神楽、遅いぞーっ!!」
あー、やっぱり怒ってる・・・。
まあ、遅れちゃったのは私だしな。
「ハァ・・ハァ・・・ごめん・・急いで来たんだけど・・・」
「あんまり遅いから心配したろー!?」
ズイッと身を乗り出して、私の顔を覗き込んできた。
炎天下で待っていたせいか、ともはしっとりと汗ばんでいて、甘い香りがする。
・・って、なんて事考えてんだ、私は!?
「あの・・ほんとにごめん・・・」
「ま、なんともないんならいいけどな」
そういうとポッケからハンカチを取り出し、私の汗を拭う。
「あ、ありがと。後は自分でやるよ」
「いいよ、私のために急いでくれたんだろ?」
「そうだけどさ・・・は、恥かしいだろ・・・」
ぼそぼそと呟いた私の顔は、太陽に負けない位、真っ赤になっていたと思う。
・・・でも、なんでとも相手に赤くなってんだ?
「なんで赤くなってるんだー?変な奴だな」
ともが首を傾げて不思議そうな顔をしている。
確かにその通りだ。別に赤くなる事なんてないはずだよな。
「べ、べつに変じゃねー!!」
何故かわからないけれど、ムキになって反論してしまう。
変って言われたのが悲しかった・・・のかな。
「やっぱあんた変だって、ほんとに大丈夫かー?」
心配そうなともの顔が、私の顔に近付いてくる。
ともの顔が近付くにつれて、カァーッと顔が熱くなる。
まるで熱病になったかのように、頭がボーッする。
ともの甘い吐息が、私の頬をくすぐる。
血色の良い肌と柔らかそうな唇だけが、やけにハッキリと目に映った。
そして、気付いた時には、私はともを抱き締めていた。
「な゛・・・な、な、なにするんだー!!」
無意識の内に、ともの頬に手を伸ばして、その柔らかそうな唇に、口付けた。
キスされたのに気付いて、ジタバタと暴れているが、私はそんな抵抗も愛しく感じた。
少し力を入れれば折れてしまいそうな体を、優しく抱き締めると、強引に舌を絡めた。
ともが舌を追い出そうとする度に、互いの舌が深く絡み合う。
そして、唇から、ぴちゃぴちゃと淫らな水音が漏れている。
暫くそうしていると、ともの体から、だんだん力の抜けていく。
最後に軽い口付けして、唇を離すと、銀色の橋が掛かって、プツンと切れた。
そして、まだ少し息の荒いともの顔を見ると、目尻にうっすらと涙を滲ませていた。
「・・なんで・・こんな事・・したんだよ・・・」
ともの呟いたその言葉を聞いた瞬間、私は途轍もない罪悪感に駆られた。
もしかすると、私は取り返しの付かない事をしてしまったのかもしれない。
今まで築いていた関係が、目の前でボロボロと音を立てて崩れていく気がした。
「・・・ごめん・・」
私には、そう呟くだけで精一杯だった。
悲しげに私を見つめている瞳から目を逸らし、その場から逃げ出した。
ともが何か言っていたけれど、何も耳に入らなかった。
・・・私が、ともの言葉を聞く勇気を持っていなかった。
〜 続く 〜
- 145 :Ero★ : 05/07/10 05:46:59 ID:???
- 今になって思ったんですが、区切るべきですね?
次回から気を付けます
誤字脱字はなるべく無くしているつもりですが、あった場合は指摘して頂けると嬉しいです
・・・批判もバッチ受け付けます
- 146 :名無しさん…もう…いないのにね… : 05/07/10 21:54:43 ID:???
- いい!!
続き、続き、さっさと(ry
- 147 :Ero★ : 05/07/19 03:20:28 ID:???
- >>144の続き
あの後、町で見知らぬ男にからまれていた所を、榊に拾われた。
いつか言っていた通り、榊は1人暮らしをしていた。
ただ、勉強が忙しいらしくて、大学に泊り込みの日が続いてるから、あまり顔を合わせてない。
そんな日々はなんとなく過ぎていって、気が付けば1週間も経っている。
時折、脳裏にともの笑顔がチラつくと、涙が零れ落ちそうになる。
だけど、不思議と涙は流れない。
その度に、狂ったように叫んで、物を投げて、力の限り壁を殴りつけた。
そして、後に残るのはメチャクチャになった部屋と、虚しさだけ。
こんな時間が続くのなら、死んでしまった方が楽じゃないか、何度もそう思った。
いっそのこと、このまま何もかもが止まってしまえばいいと思う。
けれど、時間は急ぐ訳でも遅れる訳でもなく刻み続ける。
どんなに強く望んでも、楽しかった頃には戻れない。
そんな事はわかってる。わかってるけど、そう望まずにいられない。
起きてるのは色々考えて辛いから、眠ってしまおう。
そうすれば、幸せな夢を見る事が出来るだろうか。
あの頃のみんなが、変わらずに微笑んでくれるだろうか。
ともは・・、微笑んでくれるだろうか・・・。
〜 続く 〜
- 148 :智だぞ★ : 05/07/19 20:07:22 ID:〆(・_・。)ノ
- う・・・うぐぅ・・・・
- 149 :△ : 05/07/23 23:15:50 ID:(`Д´)y─┛~~フゥィィ
- ちょっとわりこみます。ご了承を。
- 150 :△ : 05/07/23 23:17:16 ID:(`Д´)y─┛~~フゥィィ
- 中学生のときからだった。兄の友達のことが好きだった。
でも、高校生のときだった。
「まだ伝えてないことがあるのに!」
その人は東に行ってしまった。
数年後、私が住んでいるアパートにその人が引っ越してきた。
ちょうど、こっちに戻ってきて、住むところを探してたようだ。
でもやっぱり、あのひとは、私には気がないようだった・・・・・・・・。
「夏の朝の蜩」(byきんかく)
─────────────────1・呆然─────────────────
去年のことだった。私が友達の家を出た時だった。
ドアの前をハイスピードのバイクがとおりすぎた。
狭い道で、バイクがそんなスピードで通らない細い路地だったので驚いた。
通り過ぎるとき彼女はこちらをむいて微笑んでいた。
あっけにとられてみていると、彼女のきたほうにミニパトがとまっていた。
「そこのバイクとまりなさい!」
彼女は無視して逃走した。
「あ!こら!まちなさい!」
パトカーは先回りしようとしているのか、あわてて行ってしまった。
「ななちゃん、いまの・・・・・・・なに?」
と友達が言った。
「そんなの私が知りたいよ!」
「そ・・・そうだね・・・・ごめんね?」
「いいよあやまらなくても。そうやってあやまってばっかじゃだめだよ?」
「ごめんなさい・・・。」
「ほらあ!そうやって、またあやまる・・・・」
─────────────────2・真意─────────────────
それから一週間後くらいだった。兄が私の下着を借りにきた。
「やだよ!なんでかさないといけないのよ!変態」
「たのむよ!な?」
「エロ親父めー!どうせ妹のパンツをかぶって・・・・・・変態!」
「そんなことしないって!」
「じゃあにおいかいで・・・・・変態!」
「だからそんなこと・・・」
「じゃあはいて・・・・・へんた・・・」
「いいかげんにしろ!ちがうって!」
「じゃあなんなのよ!?妹に下着借りて何するつもり?まさか・・・・・」
「・・・・まさかなんだよ?」
「おにいちゃんそんな趣味・・・・・」
「どんな・・・・・・・・あ!違う違う!断じてちがう!」
「まだ何も言ってないよ?」
「どうせォ○マとかいいたいだろ?ちがうって!」
「とうとう白状した!まえからあやいしいとおもって・・・・」
「ちがうって!!!!!」
「じゃあなによ?」
「そんなに知りたいか?」
「もちろん。じゃないと貸せないよ?話しても内容によっては貸せないけど。」
「わかった。はなそう。じつは・・・・」
「実は?」
「俺の部屋におんなのこがきてるんだ・・・」
「やらし・・・」
「それで、住まうところがないから、ここにとめてあげることになったんだけど・・・」
「下心見え見え・・・」
「お風呂にいれてあげたんだけど、下着がなくて・・・」
「計算済みだね・・・」
「って!うるさいな!そういうのは心の中でつぶやくの!」
「あ〜はいはいわかりましたー。」
「それで、かしてくれない?」
「お兄ちゃんに女・・・・信じがたい・・・」
「じゃあ、みてくりゃいいじゃないか!」
「なにを?」
「俺の部屋にきたらわかるだろ?」
「そうかな・・・」
真偽を確かめるため兄の部屋に行った。
「シャワーの音・・・」
「ほら、、、女物の下着があるだろ(ひそひそ)」
「おにいちゃんえっちー。私だけでいいじゃん。更衣室に入るの。」
「なんでー。ちゃんと、その場に居ないと。ちゃんと確認したか。」
「とかいって、いいわけして・・・見たかっただけでしょ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・わかる?でも、まあ、これでわかっただろ?」
「うん・・・・・・わかった・・・。貸すよ・・・・。いや、やっぱ予備のをあげるよ。」
何日かして、兄と女性が共有スペースで喋っていた。
その女性は見たことがあった。
あの、バイクで走っていった人だった。
兄に言おうか迷ったが、わけがありそうなので、そのことにはふれずにいた。
ふと、きがつくと彼女をめっきりみなくなっていた。
風の噂で、入院したとかきいたケド、本当かどうかは分からなかった。
兄にも聞くことができなかった。
─────────────────3・再会─────────────────
今年だった。彼が越してきたのは。都会での荒波にもまれ、成長した彼は帰ってきた。
ちょうど管理人の兄の部屋の横があいていたので、そこに入居することになったようだった。
家に帰る途中だった
「あ、ななちゃん?ひさしぶりだねー。」
彼がとつぜん声をかけてきた。ちょっとおどろいた。
兄が言ってた日より早かったからだ。
「え?あ?すいません・・・だれですか?」
あせってこんなことをいってしまった。
「おぼえてないかな?・・・かなしいな・・・」
「じょ、じょーだんですよー。忘れるわけないじゃないですかー。おひさしぶりです。(笑」
「なんか、・・・・かわいくなったね。りっぱだーりっぱー。(笑」
「そんなエロ親父みたいなこと言わないでください。おこりますよ?(苦笑」
「はははごめんごめん。あ、これおみやげ。」
「なんですか?」
「なにかな〜?」
「こ、これは・・・・・・・・・・・なんですか?」
「ん?あー、さーたーあんだぎー」
「・・・・・・どこでかったんですか?」
「ああ、すぐそこの店。」
「・・・・・・・・・ははは」
「ははは」
「ははははは」
「ははははは・・・・・はあ。」
「期待させてガッカリさせないでください。ガッカリ度が倍増します。」
「じょーだんだよ。ほれ、だいじにしなよ。」
「あの・・これ・・・」
「じゃあ、そろそろ荷物が届くからいくよ。後で、手伝ってくれてもいいよ。(笑」
箱を開けると、かわいいイヤリングだった。
- 151 :△ : 05/07/23 23:17:50 ID:(`Д´)y─┛~~フゥィィ
- ─────────────────4・出発─────────────────
暑い日、兄といっていた別荘からかえってきた。
「今日は月曜日かー。あ、あそこの店は月曜日はよりどりセールやってたっけ。」
ふと廊下を横切ったとき、兄と彼が話していたので、ちょっと立ち止まって様子を見た。
何を話しているかはきこえなかったけど、兄と彼は、いきなり黙り込み、気まずい空気が流れていた。
何も聞くことができない雰囲気だった。
わたしはそのままそっと通り過ぎた。
その日以来、かれは何か思い悩んでいるような感じだった。
何かボーっとしている感じだった。
「おはよ。」
「・・・・おはよ。」
「どうしたの?元気なさ過ぎだよ。」
「うん。・・・・ちょっとね。」
「もー。もっと元気だしなよー。」
「うーん・・・。」
「あ、こんどの日曜、港で花火大会あるんだって。・・・いっしょにいかない?」
「ほっといて・・・・・ほっといてくれないか?」
「ご・・・ごめん・・・。でも・・・・」
涙が潤んできた・・・・・・・・。
「でも・・・・一人で悩んでも何も変わらないよ!だまってちゃなんいもわからないよ!」
そう叫んで走って逃げた。
2日後だった。
バスをおり、虫がなく夜道をとおって家に着いた。
ふとドアのよこに桐の箱がおいてあるのに気づいた。
「これは・・・・」
何も書いてなかったので、おそるそるあけてみた。
中に手紙が入っているのが見えた。彼からだった。
「一昨日はごめん。ひどい扱いして。これはそのお詫び。大事にしてな。あと、花火大会の日はあいてるかな?」
手紙の下の紙の中には浴衣が入っていた。うれしくて涙が出てきた。
「ありがとう・・・・・・ありがとう・・・・・・」
─────────────────5・各駅停車─────────────────
浴衣をもらって、すぐお礼を言おうと彼の部屋にいったが、すでに明かりが消えていた。
次の日、朝早く彼のところに行った。
「ああ・・・・ねむ・・・・・。こんな時間にどうしたの?」
「おはよう。浴衣・・ありがとう。」
「ああ。」
「たかかったでしょ?」
「いえいえ。そんなことないよ。おじさんち呉服屋だから。卸値で安く手に入る。」
「ほんとにありがとうね。」
「うん。かうとき『かのじょかえ?』っていわれたけど、『そんなんじゃない』っていったのにしんじてくれなかったよ。」
「それで・・・・そのほうがいいとおもう。」
「いやいやいやいや・・・・」
「・・・・だめ?」
「な・・・なにいってんのかなー?」
「つきあってください!」
「ええー・・・・(汗」
「返事しだいではお兄ちゃんにいいつけてここを追い出し・・・・・」
「あーもー!わかったわかった。今年だけ相手してやるよ。卑怯なー!」
「へへへ。」
「でも、あんまりうるさかったらフるからなー。」
「うん。ふられないようにする。ありがとう。」
「まあ、今日は暇だしゆっくりしていけよ。」
「あれ?ひまなの?いそがしいかなとおもって、わざわざ早く着たのに。
「いやいやいや。早すぎだろ。朝っていうか未明じゃないか。蜩ないてるし・・・」
彼の言うとおり、蜩が鳴く声意外は何もしなかった。
「おじゃまします。」
畳の部屋には、ちゃぶ台に小さなテレビ、桐のタンス、レコードプレーヤー
「うわー昭和の部屋を再現してるジオラマみたい・・・」
「ああ・・・はらへった。なんかたべる?」
「ビフテキ・・・・・」
「ある訳ないじゃん。このお嬢様め!」
「いやそんなに高級品でも・・・『ビフテキ』に突っ込んでほしかった」
「ああ・・・ビフテキっていまどきいわねー・・・」
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「あたしが作ろうか?さーたーあんだぎーでも。」
「じゃあ・・・たのむ。油は昨日のコロッケにつかった残りがある。」
私は、早速エプロンをつけて小麦粉と卵と砂糖、あと、ホットケーキミックスをまぜた。
かれは、朝刊を読んでまっていた。
小麦粉に卵の水分がしみこんでなじむまで、すこしひまだった。
「なんかさー、新婚さんみたいじゃない?あ・な・た(笑」
「ばっバカ!ひとをからかうな!」
- 152 :△ : 05/07/23 23:18:18 ID:(`Д´)y─┛~~フゥィィ
- ─────────────────6・お泊り─────────────────
土曜日、家に帰っているとき、玄関の前に小さめの桐の箱がおいてあった。
「なんだろう・・・・・」
中を開けると手紙その下にだるまのような男の人と女の人の小さな9cmくらいの和服の人形が
はいっていた。手紙は兄からのものだった。
「プレゼント」
とだけかいてあった。なんだかよくわからなかった。
ふと、丁度彼がとうりかかった。
「こんばんは。」
「おかえり。これ、何か分かる?お兄ちゃんからもらったんだけど。意図がわからないの。」
「ん?どれどれ・・・・・・あ!これは・・・・・・・」
「え?なになに?」
「髪の伸びる人形・・・・・・・」
「え?・・・・・・・・・・・・」
「ほら・・・右の髪はそろってるのに左の髪は長さがばらばら。」
「ほんとだ・・・・おまけに全体的に右より5mmほど長い・・・・。こわ〜(ゾクゾク」
「どうする?」
「すてようかな・・・」
「いや、まてよ・・・・・」
兄には友達の家に泊まることにして、彼の部屋に泊まることにした。
夜中、二人で兄の部屋にこっそり忍び込んだ。
「おとをたてるなよ。あいつがおきないように。まあおきないだろうケド。」
「わかってるよー。うまくいくかな?」
「あーだいじょうぶ。最近おつかれだから。」
こっそり兄の枕元に近づいた
「う〜ん。・・・」
兄が寝返りを打ってドキッとした。
「だれだ!そこにょふたりゅぐみ〜・・・・ZZZzzzz・・・」
彼は驚いてしりもちをついた。
「だいじょーぶー?」
「いやへいきへいき。また夢の中でアニメの世界にもぐりこんでるんだろうよ。」
「いや・・・そっちじゃなくて・・・・まああとで・・・・」
「さておくか。枕元に・・・・」
「布団の横10cmのところに、お兄ちゃんがむいてるほうこうに。」
「おっけー。かえろうか」
「うん。」
そうやって二人で兄のへやを出た。
彼の部屋にもどってふとんをしいた。
「布団どうする?一式しかないんだけど。」
彼がきいてきた。
「いいよ。ソファーで寝るから。」
「そうか。じゃあそうして」
(え!?普通、自分がソファーで寝るとかいうだろ!)
「なんかいった?」
「ううん。なんでもないよ。(汗」
「ところでさっきなんていおうとしたの?」
「うん。さっきおしりの下になにか幽霊みたいなのが見えて。」
「え?・・・・・・え?え?・・・・・・えええ?」
「ほんとだよ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・いっしょにねよ?」
「え?」
「心霊現象的なのはにがてなんだ・・・・・・・」
「むかしからそうだよね。だまってたほうがよかった?」
彼はうなずいた。
「ごめんね?」
「いいよ。そのかわり・・・いっしょにねよ?」
「な・・なんか、はずかしいなー」
「おねがい。ホラー映画は見た後後悔するタイプだよ。確実にそのよるトイレにいけなくなる。」
「わかったよ。でも・・・・・・こどもみたい。」
「う、うるさいなー。こどもっていうな!」
「あーごめんごめん。」
「電気けしていい?」
「えー・・・こわい・・・。」
「暗くないと寝れないんだ。」
「う〜ん・・・・・・わかった。」
電気を消して、彼は私の手首をしっかりにぎってきた。
(かわいいなあ・・こどもみたい・・・)
しばらくして彼はぐっすりねむった。
ほっぺにキスをした。
彼の手が一層強く私の腕を握った気がした。
「はなさないでね・・・・・・・」
─────────────────最後・ずっと─────────────────
次の日、彼に起こされた。
「なんだよ!このほっぺについてる口紅の跡は!」
「うん・・・・。」
「うんじゃない!ひ・・・」
ふと、彼の唇を奪った。
「・・・・・これでいいでしょ?」
「もういい・・・・・・もーいい!」
どたどた!!
彼の部屋の隣の、兄の部屋から大きな物音がした。
ガチャガチャ!・・・・・ドタン!
部屋を急いで出て行ったようだった。
ドアを開け、そっとのぞくと、兄が寝巻きのまま、あわててはしっていった。
ドンドンドンドンドン!
ドアを叩く音がした。
しばらくして音がやみ、足音がこちらに向かってきた。
ドンドン!
私はあわてて彼のいる布団にもぐった。
ガチャ
「おーいはいるぞー!」
兄が入ってきた。
「ななをみなかったか?」
「いいや?どうかしたのか?」
彼は落ち着いてこたえた。
「ほんとにこなかったか?」
「だからこなかったって。」
「じゃあ・・・・」
「どうしたんだよ。」
「実は、朝起きたら呪いの人形がもどってきてたんだ。枕元に。妹に預けたはずなんだ。」
「こ、こわー。」
「妹の仕業かと思ったけど留守なみたいだし。ああ・・・やばい・・・。」
そういって兄はでていった。
「いったぞー。」
「うん。」
「それより股の間にもぐりこむなよなー。」
「だって他のところじゃ不自然じゃん。」
「ま、どうでもいいや。それにしてもあいつマジでびびってたな(笑」
「うん。おぬしもわるよのー とっさにあんないたずらおもいつくなんて。(笑」
「まあ、な。(笑」
夜、花火を見に行った。
彼は私の顔をみつめていた
「なに?かおになにかついてるの?」
「い、いや・・・。おまえ、けっこうかわいいな。」
「な・・・は・はずかしいなあー」
ちゅっ
かれが突然私の唇をうばった。
「朝のお返し。」
彼はわたしをしっかりと抱きしめた。
「はなさないでね?・・・・」
「もちろんだよ・・・・・・」
花火の音が突然小さく感じた。
- 153 :△ : 05/07/23 23:55:52 ID:(`Д´)y─┛~~フゥィィ
- 感想とかおねがいしますのだ。
- 154 :27GETTER◆pXWVmj9lto : 05/08/11 16:15:00 ID:???
- 俺もそのうちなんか書こうかな?
- 155 :空耳=ケーキの法則 ◆830MIMi83o : 05/09/25 03:43:09 ID:|_・)ノs
- 最近SS忘れられてるなあ
- 156 :Ero★ : 05/09/29 15:55:37 ID:???
- 書いてます、ええ書いてますとも
ただ一向に進まないだけで
小岩井さんチのとーちゃん風に言えば、もーー!!って感じです
あー、こんな事してる間にも書かないと・・・
- 157 :□ : 05/12/28 22:18:21 ID:|_・)ノs
- 最近SS忘れられてるなあ
- 158 :名無しさん…もう…いないのにね… : 06/02/07 15:06:18 ID:???
- ちょっと大幅修正&すべて破棄で
登場人物設定を大幅に見直し
- 159 :名無しさん…もう…いないのにね… : 06/02/07 15:13:33 ID:???
- 須賀慶喜(すか・けいき)::空耳 そら→sky :KOOL
太陽雷斗(たいよう・らいと)::△ sunwrite :んっふっふ
三浦椎(みうら・しい)::Cみうら そのまま :嘘だッ
羽手奈院(うで・ないん):? Q→9→ないん :空気嫁
緒武須美(おたけ・すみ):おむ :ですわ
夏鳥歩(かとり・あゆむ):Ero えろ→得ろ→get :ループ
南鳥躍(なんちょう・やく)::ペンギン ダンス→躍り :メイドハアハア
朔瑠英(さくる・えい)::○ :時報
阿佐義三(あさ・よしぞう)::あさぎ :カレー
この役嫌だって人はお知らせください><
ひぐらし知らない人にとっては何のことやらだろうけど<>
- 160 :名無しさん…もう…いないのにね… : 06/02/07 15:14:23 ID:???
- 専ブラエラー対策
- 161 :名無しさん…もう…いないのにね… : 06/02/07 15:14:32 ID:???
- エラー対策
- 162 :名無しさん…もう…いないのにね… : 06/02/07 15:15:24 ID:???
- 多分これで新着を検知するはず
- 163 :名無しさん…もう…いないのにね… : 06/02/07 16:06:55 ID:???
- 私を信じてください
言葉でいうのは簡単な事
私を信じてください
それを信じるのも簡単な事
どうして私を信じないの?
自分が信じてもらえる人間だと思っているの??
Saramecake Rubusidaeus
- 164 :名無しさん…もう…いないのにね… : 06/02/07 16:07:10 ID:???
- 誰かが、謝ってる気がした。
「ごめんなさい」「ごめんなさい」……
こんなに謝ってダメなんだから、もうあきらめればいいのに……
「ごめんなさい」「ごめんなさい」「ごめんなさい」……
その声は、まだ続いている。
私はぼんやりと、再び眠りについた。
「慶、そろそろ着くよ」
父さんだ。あれ……?
そうだ、電車に乗ってたんだ。
ああ、そう。私は戻ってきた。
この雛見沢の町に。
- 165 :名無しさん…もう…いないのにね… : 06/02/07 16:08:51 ID:???
- セミの声が、けたたましく響く。
まだ6月だというのに、今年はやけに暑い。
この町に引っ越してから、まだ1ヶ月も経っていないから、この町が異常なのか、今年が異常気象なのかはわからない。
……朝だというのに暑い。
「あー とけてまいそうだー」
体を起こし、枕もとの時計に目をやる
―――6時45分。
よし、まだ十分時間がある。
手早く制服に着替え、1階へと降りる。
「あら、今日も早いわね」
母さんが声をかけてきた。
「なんかこっちに来てから、自然と目が覚めちゃうんだよな」
朝食の用意はあと少しのようだ。その間、テレビでも見ることにした。
チャンネルをパチパチ切り替えていると、食事の支度ができたようだった。
「いただきまーす」
うん、今日も朝食が美味い。早起きは三文の得と言うのは本当だとしみじみ実感する。
「このお漬物、椎ちゃんが持ってきてくれたのよ」
「へえ、そうなんだ」
ふむ、それで塩加減がいつもと違うわけか。納得。
「今日会ったらお礼言っておいてね」
「はいはーい」
そんなことをしてるうちに、時間が来た。
「じゃ、行って来るねー」
「ちゃんとお礼言っておいてねー」
「はいはいー」
- 166 :名無しさん…もう…いないのにね… : 06/02/07 16:09:08 ID:???
- 家を出て少し歩くと、見慣れた姿が目に入った。
「あ、慶さん、ういーっす」
「ややーい、……誰だっけ?」
「うわひど、2日ぐらいで忘れないでー」
からかい甲斐のあるやつだ。
「椎みたいな強烈なキャラ忘れないよー」
「それはそれでひどい……」
彼女は三浦椎<みうら・しい>。一つ年下で、近所に住んでいるので転校してきて以来、
一緒に学校に行っている。
「あー学校行くベー、遅れるべさー」
ややヘコんでいる椎を置いて歩き出した。
「おーい、椎、慶」
向こうで手を振っている人の姿が見える。
彼は羽手奈院<うで・ないん>。一緒に学校に行っている。
「やー奈院。今日も早いね」
「なーちゃんおはよー」
「おはよう、椎。慶」
3人は話しながら歩き始めた。
「昨日変な夢見たんだ。大きな建物の中を探検する夢なんだけど…」
「へえー椎は夢の中もそんなんか」
「慶はひどいなあ。で、続き聞かせてよ?」
「でね、私一人で次のフロアに行くとそこは家具屋さんの倉庫みたいなところで…」
椎の夢の話は面白いなあ。
「それで、向こうから赤い洗面器を頭に載せた人が…あ、ちょっと時間やばくない?」
と、言われてみて気付く。学校が始まるまであと5分もないではないか。
「ダッシュだ!」
奈院は既に駆け出していた。あとを追って二人も走り出した。
- 167 :名無しさん…もう…いないのにね… : 06/02/18 00:40:36 ID:???
- >>159
ぐは!みみみみがいねえーー
あさぎ→みみみみ で
カレーはシエルでいいや
- 168 :Ero★ : 06/04/06 04:59:38 ID:???
- 久し振りに続編あっぷします
まったりすぎる更新に付き合ってくれる方がいれば感謝感激♪
- 169 :Ero★ : 06/04/06 05:01:58 ID:???
- 眠るつもりで、ぼんやりしていたのだが、なかなか寝付けない。
からっぽの頭の中に、ピンポーンと、電子的な音が響いた。
動く気にはならなかったが、榊かもしれないので、出る事にした。
ガチャリと重いドアを開けると、強い日の光が差し込んだ。
そして、視線をあげると、そこには榊がいた。
「おかえり」
そう言った私の顔を見た瞬間、榊の眉が歪んだ。
「・・・大丈夫?」
でこに当てられた榊の手がクーラーで冷えた体に温かい。
「ああ、大丈夫・・・」
力の無い笑みを浮かべ頷いてみせる。
誰が見てもおかしいのが一目でわかるだろうけど、元気に振る舞う気力はない。
「ココは空気が悪いから外で話をしよう」
私の腕をつかむ。想像以上に力が強くて少し痛い。
外には出たいけど、もしともと会ってしまったらと考えると出る事が躊躇われる。
「・・外には出たくないんだ・・・」
「・・・そうか、じゃあ中で話を聞くよ」
榊は部屋に入ると、窓を開けてクーラーを消した。
締め切られて空気の淀んだ部屋に、心地良い風が舞い込む。
酷く散らかった部屋を見て私を咎める事もせずに片付け始めた。
黙々と片付ける姿を眺めながら、聞こえるかどうかわからない程度の声で言った。
「・・ごめん・・・」
片付けの手を止めて、部屋の隅で丸くなっている私の隣にそっと腰を下ろした。
顔を背けているせいで表情は窺えないが、彼女の声はとても優しく聞こえた。
謝ったきり喋らなくなった私をそっと抱き寄せて優しく頭を撫でる。
「何があったのか話してくれないかな?」
何があったのか話せばなんと言われるかわからない。
けれど、ココで何も言わないのは卑怯な気がしたから私は口を開いた。
「私・・好きな人に酷い事したんだ。・・・いきなりキスして逃げてきちゃったんだ。
ムリヤリ奪う気なんかなかったんだけど、ドキドキして気付いたらキスしてた。
相手は女の子でさ、ショックだったのかな、泣いてたんだ・・・最低だよな。」
独白を終えて膝を抱え込んで榊の言葉を待つ。
「友達だと思ってる子にいきなりキスされたら誰でもショックだと思う。
その相手が同性の友達だというなら尚更だ。」
険しい顔をしてそういった。終わった。
これで榊にも嫌われたと思った時、ふと表情を崩して言った。
「でも、でもさ、本当に好きなら、愛しているのなら、ちゃんと話し合う事が必要なんじゃないかな。
話し合えば解り合えるかもしれないし、伝えなければ気持ちは伝わらないと思うんだ。
もし2人で会うのが不安なら私も同席するから話し合う場を作らないか?」
「・・・不安だからついてきてくれるかな・・・・。」
「うん、わかった。」
私は暫く電源を切っていた携帯電話に電源を入れた。
そして通話画面を開いて震える指でボタンを押した。
3回目のベルで、ずっと聞きたかった声が聞こえた。
「私だよ、神楽だ・・・。」
〜 続く 〜
- 170 :空耳=ケーキの法則 ◆830MIMi83o : 06/04/06 18:12:50 ID:|_・)ノs
- 読んでないけど>>1乙
- 171 :名無しさん…もう…いないのにね… : 06/04/06 18:40:41 ID:???
- 僕は恋をしている。
いつだったか、きっかけは覚えていない。ただ、彼女のことが頭から離れない。
そうか、これが恋なんだ。それに気づいてしまってからは、想いはもう泥沼だった。
「おーい、授業始めるぞー」
そんなことを考えていると、何時の間にか先生が来ていたようだ。こんな事ももう数え切れないほどある。
「きりーつ」
ああ、いい声だな、まさしくボイスセラピストじゃないか。うん、今日もやる気が出た!
「着席」
そう、号令をかけている彼女こそ、僕の恋の相手。
「礼」が無かったがいつもの事だ。こういう不思議なところも可愛い。
……さて、今は数学の時間である。教卓に体が隠れてしまっていた先生はすでに踏み台にのぼり、いつものようにウサギがそれを押さえている。
今日は珍しく授業をするようだ。いつまでも物思いにふけっていたのでは先生に何を言いつけられるか分かったものじゃない。
「ここの接点がtanθであるときー……」
眠くなってきた……やば……ZZZZzzzzzzzz....
「そしてこの接線の積分を……おいこら聞いてんのかー!!!」
やば!慌てて顔を上げると、そこには……
続く
- 172 :名無しって、奇跡で出来てるんだね… : 06/10/07 17:21:51 ID:???
- 少女は急いでいた。待ち合わせの時間は既に15分は過ぎている。
(待っていてくれてるかな…?)
少女の待ち合わせの相手。それは好きな異性などではなく、
単に古くからの友人と、久しぶりに一緒に帰る約束をしていただけである。
それでも、少女は急ぐ。なぜかって?それは少女がその友人とのお喋りをずっと楽しみにしていたからだ。
久しぶりの。二人っきりの時間。
- 173 :名無しって、奇跡で出来てるんだね… : 06/10/07 17:25:14 ID:???
- さて、待ち合わせの場所の下駄箱についたのだが。
彼女の姿はない。
(待ち疲れて先に帰ってしまったのだろうか?)
本当は同じクラスなのだから、授業後すぐにでも連れ立って帰れば良かったのだが、
少女は憧れの先生から用事を頼まれ、断りきれず。友人は成績不振で担任教師に呼び出しを受けた。
お互いに1時間もあれば片付くだろう、と思っていたが、少女の方は思いのほか手間取ってしまった。
友人の用事はもう済んでいるはずだ。さっき担任教師とすれ違って別れの挨拶を交わしたのだから。
(忘れて帰ってしまった?彼女ならあり得る…いや、そんなはずはない。彼女も楽しみにしていたはずだ)
そんなことを考えているとふと、少女は終業直後の彼女の様子を思い出した。
(……さては……)
少女は再び校舎の中へ入り、教室へ向かった。
- 174 :名無しって、奇跡で出来てるんだね… : 06/10/07 17:26:11 ID:???
- いた。
そこには机に突っ伏した『アホ毛』がかすかな寝息を立てている。
「姫子さん、起きてください」
寝ている姫子に、少女はいつものように声を掛ける。反応はない。
少女はアホ毛に近づくと、それをおもむろに引っ張った。
「マ゛〜〜ごめんよベッキィ〜〜寝てたわけじゃありませ〜〜」
「だーれがベッキーですか。起きなさ〜い姫子〜」
手荒い起こし方に、姫子も目を覚ましたようだ。
「あれれ?ここは…教室?あ!約束がっ!」
「今何時だと思っているのかな〜姫子さんは〜♪」
少女の軽い怒りを帯びた声に、姫子は動揺した。
「え、えっと、あれれ?いつ寝たんだっけ?あれ?」
「私は30分も待ち呆けしてたのになー。約束も守れないのかな?姫子ちゃんは。悪い子はそのままにしてちゃ直らないよね〜?」
「こ、これはね、違うんだよさやかちゃん、だから、お仕置きは勘弁して〜〜〜」
姫子の表情には動揺を隠せないが、そこに拒否の色は無い。
ところが、少女は表情を険しくし、
「ちょっと、学校では『さやかちゃん』は止めてって何度言ったら判るの?『6号』って呼びなさいよねっ!」
「え、だってそれはつい…」
6号の剣幕に、姫子は怯えながら答える。しかし、6号の言葉は止まらない。
「だってじゃないわよ、この学校では私は『6号』なの。そうやって姫子はいつも…あれ…?」
6号の目に映ったのは、目に涙を浮かべた姫子の姿だった。
「グスッ、だって…そんな事言ったって…グズッ」
「ちょ、何で泣いてんのよ。え、どうしたの?」
「さやかちゃんは…さやかちゃんだもん……グスッ」
姫子はそう言うと、6号に思い切り抱きついた。
「ちょっと、、人が来たらどうすんの。。もう学校にはほとんど人は残っていないから、さやかちゃんって呼んでもいいから、ね。離して……」
6号は少しいじめすぎた事を後悔した。何とかしてなだめなくては。
しかし、こうなると姫子の方が一枚上手だった。
「人がいないならこうしていてもいいよね?さやかちゃん…」
「うー…」
こうなってしまった姫子は非常に厄介なのを、6号は知っていた。
- 175 :名無しって、奇跡で出来てるんだね… : 06/10/07 17:26:31 ID:???
- 「ねーねーさやかちゃーん、大丈夫?顔色悪いよ?」
「うるさいわねっ!今忙しいのよっ」
4年前。私は相変わらず「いい子」だった。ただ、そんな日々に疲れを感じていないわけではなかった。
「ねえ?いい子は疲れない?無理していい子になんかならなくてもいいと思うけどな…」
姫子にこう言われたのは、そんなストレスが最高潮に達しかけた時だった。
「あんたには関係の無い事でしょ。私がこうしたくてしてるんだから放っといてよ」
「でも…さ、さやかちゃん疲れてるでしょ?……なんで『いい子』になろうとするのカナ?」
そんなことは考えてもみなかった。どうして?最初は頼まれた事をしてあげると喜んでくれる。そんなことが嬉しかった記憶がある。
今は?あの頃の嬉しさは、ない。
「さやかちゃんが…ぐす……辛そうなの見てると……私……」
「ちょ、こんな所で泣かないでよ。あわわ……」
「だってぇ……さやかちゃんが楽しくないと……私も……ぐす」
楽しく、か。そうだ。私がいい子でいる理由。それは些細な事だったのだ。
頼みを聞いてあげた相手は、私に感謝する。その人にとって、私は一時的でも神になれるのだ。
愚劣な民どもに、崇高な私「鈴木さやか」が奉仕してやるんだ。
「姫子。大丈夫よ。私はもう大丈夫よ。『いい子』を楽しむ方法、思い出したわ」
「そ、そうなの?……あ、そうだ。さやかちゃんに渡したいものがあるんだ」
姫子はカバンからリボンを取り出し、6号の髪を結った。
「これで暗い感じなのが少しはゴスロリっぽく見えるカモ〜☆」
姫子は、姫子だけは私の事を気にしてくれているんだ。
私は涙を流し、いつのまにか姫子を抱きしめていた。そして、姫子の耳元でささやいた。
「ありがとう、私の姫子……」
- 176 :名無しって、奇跡で出来てるんだね… : 06/10/07 17:26:43 ID:???
- 6号は、逆に姫子を思いっきり抱きしめてやった。
「ごめんね、姫子」
姫子は赤面した。
「ね、さやかちゃん。もう大丈夫だよ……人が来たら大変だから…ね?」
姫子は元々あまり持っていない冷静さを取り戻したようだ。しかし、6号は止める気などなかった。
「いいじゃないの、姫子。もう残ってる人なんていないから大丈夫って言ったのは姫子の方よ」
真っ赤になった姫子を見て、6号はいじめてやりたくなった。
「マ、マ…あっ!そうだ!さやかちゃんに渡すものがあるんだよ」
姫子はやや強引に6号を離した。
「なあに?お楽しみはこれからだって言うのに」
不満そうな6号に、姫子はカバンから包みを取り出した。そして6号の後ろに回り、彼女のリボンをほどく。
「マ〜髪を下ろしたさやかちゃんもオメガ可愛いよ〜〜☆」
「何してるのよ。ツインテールがオメガ似合うって言って無理矢理結んだのは誰かしら?」
「えへへー。あ、そうそう。これこれ」
姫子は包みから新しいリボンを取り出し、6号の髪を結んだ。
「見て見てー、可愛いでショー?」
6号は鏡を見た。……悪くない。
「黒のリボンも可愛いよ。私の『6号さん』」
- 177 :名無しって、奇跡で出来てるんだね… : 06/10/07 17:27:50 ID:???
- 〜Fin〜
- 178 :CCzWfvcX : 07/10/27 12:28:06 ID:???
- hjXNhw<ahref="http://zfkjavnrcpcp.com/">zfkjavnrcpcp</a>,[url=http://svgpkacjjnjj.com/]svgpkacjjnjj[/url],[link=http://aznozzwynqvr.com/]aznozzwynqvr[/link],http://ywmypmgcahif.com/
- 179 :fjAlWcFpgxOgKzK : 07/10/27 12:28:38 ID:???
- pOKZWU<ahref="http://spqxoaiqirbz.com/">spqxoaiqirbz</a>,[url=http://ftphhtxozehx.com/]ftphhtxozehx[/url],[link=http://zcfuisdtrqoy.com/]zcfuisdtrqoy[/link],http://ybptedsteruh.com/
- 180 :名無しって、奇跡で出来てるんだね… :
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