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こっそりSSを書くスレ

1 : : 2005/03/21(月) 00:55:43
SSを書くスレです。
感想OK。批評は作者の許可を得てからに。
当然過剰な悪口は駄目。
ジャンルは問わず。
無断転載禁止。
過剰なエログロ禁止。


174 :名無しって、奇跡で出来てるんだね… : 06/10/07 17:26:11 ID:???
いた。
そこには机に突っ伏した『アホ毛』がかすかな寝息を立てている。
「姫子さん、起きてください」
寝ている姫子に、少女はいつものように声を掛ける。反応はない。
少女はアホ毛に近づくと、それをおもむろに引っ張った。
「マ゛〜〜ごめんよベッキィ〜〜寝てたわけじゃありませ〜〜」
「だーれがベッキーですか。起きなさ〜い姫子〜」
手荒い起こし方に、姫子も目を覚ましたようだ。
「あれれ?ここは…教室?あ!約束がっ!」
「今何時だと思っているのかな〜姫子さんは〜♪」
少女の軽い怒りを帯びた声に、姫子は動揺した。
「え、えっと、あれれ?いつ寝たんだっけ?あれ?」
「私は30分も待ち呆けしてたのになー。約束も守れないのかな?姫子ちゃんは。悪い子はそのままにしてちゃ直らないよね〜?」
「こ、これはね、違うんだよさやかちゃん、だから、お仕置きは勘弁して〜〜〜」
姫子の表情には動揺を隠せないが、そこに拒否の色は無い。
ところが、少女は表情を険しくし、
「ちょっと、学校では『さやかちゃん』は止めてって何度言ったら判るの?『6号』って呼びなさいよねっ!」
「え、だってそれはつい…」
6号の剣幕に、姫子は怯えながら答える。しかし、6号の言葉は止まらない。
「だってじゃないわよ、この学校では私は『6号』なの。そうやって姫子はいつも…あれ…?」
6号の目に映ったのは、目に涙を浮かべた姫子の姿だった。
「グスッ、だって…そんな事言ったって…グズッ」
「ちょ、何で泣いてんのよ。え、どうしたの?」
「さやかちゃんは…さやかちゃんだもん……グスッ」
姫子はそう言うと、6号に思い切り抱きついた。
「ちょっと、、人が来たらどうすんの。。もう学校にはほとんど人は残っていないから、さやかちゃんって呼んでもいいから、ね。離して……」
6号は少しいじめすぎた事を後悔した。何とかしてなだめなくては。
しかし、こうなると姫子の方が一枚上手だった。
「人がいないならこうしていてもいいよね?さやかちゃん…」
「うー…」
こうなってしまった姫子は非常に厄介なのを、6号は知っていた。


175 :名無しって、奇跡で出来てるんだね… : 06/10/07 17:26:31 ID:???
「ねーねーさやかちゃーん、大丈夫?顔色悪いよ?」
「うるさいわねっ!今忙しいのよっ」
4年前。私は相変わらず「いい子」だった。ただ、そんな日々に疲れを感じていないわけではなかった。
「ねえ?いい子は疲れない?無理していい子になんかならなくてもいいと思うけどな…」
姫子にこう言われたのは、そんなストレスが最高潮に達しかけた時だった。
「あんたには関係の無い事でしょ。私がこうしたくてしてるんだから放っといてよ」
「でも…さ、さやかちゃん疲れてるでしょ?……なんで『いい子』になろうとするのカナ?」
そんなことは考えてもみなかった。どうして?最初は頼まれた事をしてあげると喜んでくれる。そんなことが嬉しかった記憶がある。
今は?あの頃の嬉しさは、ない。
「さやかちゃんが…ぐす……辛そうなの見てると……私……」
「ちょ、こんな所で泣かないでよ。あわわ……」
「だってぇ……さやかちゃんが楽しくないと……私も……ぐす」
楽しく、か。そうだ。私がいい子でいる理由。それは些細な事だったのだ。
頼みを聞いてあげた相手は、私に感謝する。その人にとって、私は一時的でも神になれるのだ。
愚劣な民どもに、崇高な私「鈴木さやか」が奉仕してやるんだ。
「姫子。大丈夫よ。私はもう大丈夫よ。『いい子』を楽しむ方法、思い出したわ」
「そ、そうなの?……あ、そうだ。さやかちゃんに渡したいものがあるんだ」
姫子はカバンからリボンを取り出し、6号の髪を結った。
「これで暗い感じなのが少しはゴスロリっぽく見えるカモ〜☆」
姫子は、姫子だけは私の事を気にしてくれているんだ。
私は涙を流し、いつのまにか姫子を抱きしめていた。そして、姫子の耳元でささやいた。
「ありがとう、私の姫子……」


176 :名無しって、奇跡で出来てるんだね… : 06/10/07 17:26:43 ID:???
6号は、逆に姫子を思いっきり抱きしめてやった。
「ごめんね、姫子」
姫子は赤面した。
「ね、さやかちゃん。もう大丈夫だよ……人が来たら大変だから…ね?」
姫子は元々あまり持っていない冷静さを取り戻したようだ。しかし、6号は止める気などなかった。
「いいじゃないの、姫子。もう残ってる人なんていないから大丈夫って言ったのは姫子の方よ」
真っ赤になった姫子を見て、6号はいじめてやりたくなった。
「マ、マ…あっ!そうだ!さやかちゃんに渡すものがあるんだよ」
姫子はやや強引に6号を離した。
「なあに?お楽しみはこれからだって言うのに」
不満そうな6号に、姫子はカバンから包みを取り出した。そして6号の後ろに回り、彼女のリボンをほどく。
「マ〜髪を下ろしたさやかちゃんもオメガ可愛いよ〜〜☆」
「何してるのよ。ツインテールがオメガ似合うって言って無理矢理結んだのは誰かしら?」
「えへへー。あ、そうそう。これこれ」
姫子は包みから新しいリボンを取り出し、6号の髪を結んだ。
「見て見てー、可愛いでショー?」
6号は鏡を見た。……悪くない。
「黒のリボンも可愛いよ。私の『6号さん』」


177 :名無しって、奇跡で出来てるんだね… : 06/10/07 17:27:50 ID:???
〜Fin〜


178 :CCzWfvcX : 07/10/27 12:28:06 ID:???
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179 :fjAlWcFpgxOgKzK : 07/10/27 12:28:38 ID:???
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180 :名無しって、奇跡で出来てるんだね…



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